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求めない・あえて出さない勇気ということ

求めない・あえて出さない勇気ということ_b0134980_5522845.jpg先日、知り合いの結婚式で、祇園丸山の大将と話す機会を得た。この店は、名だたる料亭の中でも、割合庶民派ということで、全世界の親善大使などが利用することが多い店であるようだ。
その大将の言葉、「求めない」「判った上で、あえて出さない勇気」というのが、非常に心に残った。
1)「求めない」
  これは、私たちがよくする過ちだ。つい人に、他人に求めてしまう。何をーこうしてくれたら良いのに、これだから、あいつは判ってないとかーをあえて「求めない」のである。期待以下であったら、ダメとレッテルを貼ったりする。この大将の店では、沢山の若い修行に来ている料理人(今回結婚したのもここで、知り合った者同士なのだが)に「-のレッテルは貼らないい」としているそうだ。「+は沢山貼ります。これは、成長には欠かせないエネルギーだからです。逆に-は、成長を妨げ、店も本人もよくない状態をつくる」からだそうだ。和食の世界では、考えられない修行法である。本人が求めてくるまで待つ。本人の長所を的確につかむ大将は、悩みの中での結論で、自分も修行中とおっしゃっていたのが印象深い。
   皆様 「求めない」は出来ますか?

2)あえて出さない勇気
ここの大将は料理を創るのも好きだが、各国に行き食べるのがまた何よりも好きであるそうた。特にEUには、自分の知り合いや友人も店をしていたり、修行で行っている料理人も沢山おられるからよけいに行かれるそうなのだ。だから、イタリアンもフレンチの良さおいしさもよく分かっている。丸山で、修行した若者がそちらの世界へ行くことは、全く否定しないのであるが、和食の世界の中では、あえて出さない。その勇気がいるというのだ。自分でさえ出したくなるのだから、今の若い人は、なおさらであることも判っているが、出さないのである。

和の文化に「能」がある。著しく表情も動きもを無くしている。欧米のそれらとは、真逆である「あうん」の世界をつくる技なのかもしれない。感じる心とはここから創られるのかもしれない。
  あえて出さないから、和食は感じられるものがある。意味深い。

   皆様、判っているが、あえて出さない勇気はお持ちですか?
  

by wh1726 | 2008-06-04 05:53 | 苦言・提言  

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